ずっと速いクルマを目指してセッティング研究してますが、今まで重心高は低ければ低いほど良いと思ってました。

なぜなら、実車の世界では、運動力学的には、速いクルマの理想はF1のような低重心が速いとされているから。

これはもちろん間違いではないけど、ドリフトしない(グリップ走行のみ)という大前提があるようです。

重心高が運動性能に及ぼす影響を調べてみました。

直線で加速する際、重心高が高いとピッチングが大きくなります。ウイリーじゃないですが、フロントが上がってリアが沈み、リアタイヤが地面に押し付けられ、リアトラクションがじわっと稼げます。

もちろん、重心高が低くても、リアが十分重ければリアトラクションが掛かるので速いですが。

対して、コーナーでは、ロールが大きくなり、片輪走行じゃないですが、外側のタイヤにトラクションが集中し、内側のタイヤが仕事をしなくなり、片輪では支えきれなくなり結果的にトラクションが抜け、重心高が低いクルマより速く、ドリフトに移行します。

ということは、やはりコーナーでは重心高が高いクルマは車速においては不利ということになります。

しかし!

ラジドリの場合はちょっと事情が違うようです。

以前に掲載した下記内容に関係します。

200105 オレオレ理論#3 最も効果的な爆速セッティング?!

重心高が高いとロールしやすくなり、それによりキャンバーやトー変化も大きくなります。

セッティングにより変化量に違いは出ますが、キャンバー変化によりタイヤの接地面が変わり、それにより食い方が変わります。

実車もキャンバー変化によるタイヤの食い方は変わりますが、カチカチのタイヤを使うラジドリは、より食い方の変化量が大きいようです。

路面やセッティングによっては、ロールによるトラクションロストデメリットをメリットが凌駕し、重心高が高い方が、よりコーナーで食うという現象になります。

例えば、アスファルトなどの食う路面では、1Gの状態でリアタイヤは100%面接地しているとすると、コーナーでロールするとキャンバー変化が出て、タイヤの角が立ちます。そうすると100%面接地の直進状態よりトラクションが向上し、ドリフトしづらくなります(ようは、コーナーで速く走れるようになる)。

逆に、1Gの状態でリアタイヤを部分接地にしておき、コーナーではロールにより面接地させることもでき、そうすると食わなくなりコーナーではドリフトに移行しやすくなります。

つまり、重心高セッティングにより、コーナーでの食わせ方をコントロールできるということです!

私の場合、バッテリーお神輿して重心高を上げてみました!

※低μ路面だと、部分接地より面接地が食うという話があり、私はあまり低μ路面を経験してないため、どうなるか分かりません(笑)

なお、コーナーでのキャンバー変化を大きくする方法は、重心高を上げること以外にもあります。

アッパーアームを、タイヤ側を高くしてシャーシ側を低くするとか、ダンパーを柔らか目にするとか。

これらを組み合わせると、かなりコーナーでトラクションが稼げ、速い走りができるようになるでしょう!

※コーナーで食うようになる事による背反として、振り出しが鈍くなる、イン側に入っていきやすい(アウトクリップを通りにくくなる、遅い先行車を待ちづらくなる、急にケツがプリッと出やすくなり、スピンしやすくなるなどがありますが、そこは状況に応じてモーターをブン回して対処!(笑)